「ライオンの隠れ家」第10話 ネタバレ あらすじと感想

ライオンの隠れ家 第10話 2024秋ドラマ
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「ライオンの隠れ家」第10話 ネタバレ あらすじ

ドラマ「ライオンの隠れ家」第10話は、これまで張り巡らされていた伏線が回収され、物語が大きな転機を迎える重要なエピソードとなりました。登場人物たちがそれぞれの選択を迫られ、家族や友情、真実と向き合う姿が描かれています。

物語は、樺島(後藤剛範)が工藤楓(桜井ユキ)への暴行と亀ヶ谷議員の秘書殺害に関与した疑いで逮捕されるところから始まります。

この事件をきっかけに、橘祥吾(向井理)は社長である義兄の春一から絶縁を宣告され、さらには亀ヶ谷議員からも見放されて孤立無援の状態に追い込まれます。追い詰められた祥吾は、自分の過去と向き合うべく、ライオン(佐藤大空)を連れて児童養護施設「きぼうのりんご園」へ向かいます。

一方、洸人(柳楽優弥)は、美路人(坂東龍汰)の助言を受け、ライオンを救出する決意を固めます。美路人は洸人が自由に行動できるよう配慮し、自らアートグループホームでのプレ体験を1泊することを決めます。その背中を押された洸人は、楓と協力し、ぬいぐるみに仕掛けられた盗聴器の音声やGPSを頼りに、祥吾の居場所を突き止めます。一方、柚留木(岡山天音)は単身で橘家を訪れ、愛生(尾野真千子)を助けるために奮闘します。

そして洸人がついに祥吾と対峙します。激しい言葉の応酬の中、祥吾は洸人を殴りつけますが、洸人は「家族を縛り付けることは愛ではない」と毅然と反論します。この対決は、家族というものをどう捉えるか、2人の対照的な価値観が浮き彫りになる場面でした。洸人は自らの信念を貫き、ついにライオンを救出することに成功。祥吾はその後警察に逮捕され、物語は次なる展開に進む準備を整えます。

ライオンと退院した愛生は洸人と美路人の家に来て、一緒に暮らすことになります。事件も一段落した洸人は、大学生以来初めて飲み会に行き、時間を気にせず起きることもできるようになりました。

ある日、美路人がいつも施設に迎えに来るはずの洸人が時間になっても来ないので、不安になり自宅を探しまわります。ライオンや愛生はいましたが、家にも洸人は居らず・・・急展開の中で10話は終わります。

 

「ライオンの隠れ家」第10話 感想

第10話は、視聴後に感情が揺さぶられるような余韻が残る良い回でした。

なんといっても印象的だったのは、洸人(柳楽優弥)と祥吾(向井理)の対決シーンです。洸人が自分の弱さを認めつつも、ライオン(佐藤大空)を守るために立ち向かう姿は圧巻でした。「家族を縛り付けることは愛ではない」という洸人のセリフには、彼がこれまでどれだけ悩み、葛藤しながら自分なりの「家族の在り方」を見つけてきたかが詰まっていました。その対比として、祥吾が愛し方を知らずに暴力や支配でしか家族と接することができなかった孤独な人物として描かれていた点にも心を打たれました。

向井理さんの演技が特に光っていたのは、洸人に追い詰められた祥吾が涙を浮かべながら見せた複雑な表情です。憎むべき行動をとっている祥吾ですが、どこかに人間的な弱さや哀しみを感じさせる絶妙な演技で、彼がただの「悪役」ではなく、深みのあるキャラクターとして描かれていたことが印象的でした。この場面では思わず涙がこぼれ、祥吾というキャラクターをもう一度見つめ直したい気持ちになりました。

また、美路人(坂東龍汰)の成長も忘れられません。これまで洸人やライオンに支えられてきた美路人が、今回は逆に洸人の背中を押し、行動を後押しする姿が描かれ、彼が自立した人間としての一歩を踏み出したように感じられました。「プライドの仲間」という言葉を使った場面は特に心温まるシーンで、美路人が大切な絆を築きつつあることが伝わってきました。

一方で、ラストの洸人が突然姿を消すという展開には驚かされました。これまでの怒涛の出来事を通じて、彼が燃え尽き症候群のような心境になっているのかもしれません。長い間美路人とともに走り続けてきた洸人だからこそ、急に環境が変わったことで虚無感や寂しさを感じているのではないでしょうか。この展開がどのように最終回に繋がるのか、洸人がどんな選択をするのかが気になって仕方ありません。

普通のドラマなら、この10話が最終回となりハッピーエンドとなることが多いでしょう。しかし「ライオンの隠れ家」は、これまでは事件に焦点を当ててきましたが、最終回にヤングケアラーとして色んな事を我慢しながら頑張ってきた洸人にスポットを当てています。この丁寧に作られている辺りが、今期このドラマが高い満足度を誇っている理由とも言えるでしょう。

まとめ

第10話を通して、ドラマが単なる家族ドラマの枠を超えて、人間関係の深みや個々の成長を描く物語になっていることを改めて実感しました。特に、洸人がライオンを救出する際の向井理さんの表情は「怖いけれど憎みきれない」という感情を呼び起こし、複雑な心境を見事に表現していました。

次回が最終回という事実が信じられないほど、このドラマの世界観に引き込まれています。残されたキャラクターたちの未来がどのように描かれるのか、洸人がどんな決断を下すのか、最終回への期待が膨らむばかりです。