『ザ・トラベルナース』第2シーズン第5話 あらすじ
『ザ・トラベルナース』第2シーズン第5話では、九鬼静(中井貴一)の中学時代の同級生、五味武久(段田安則)が末期がんを患い、西東京総合病院に入院してきます。五味は入院初日から、部下や看護師たちに対して横暴な態度を取り続け、特に中堅ナースの金谷吉子(安達祐実)や新米ナースの中村柚子(森田望智)に対してパワハラを繰り返します。
吉子は厳しく柚子を指導しますが、柚子は「パワハラだ」と看護部長の愛川塔子(寺島しのぶ)に訴えます。その後、五味の病状が悪化し、情緒不安定になった彼はさらに看護師たちに横暴な態度を取り続けます。ついに耐えきれなくなった柚子は、医師でもないのに勝手に五味に余命宣告をしてしまい、それに激怒した吉子が柚子にビンタを食らわせるという事件が発生します。
この騒動で院長の薬師丸卓(山崎育三郎)は吉子の解雇を示唆しますが、塔子は看護師も感情的になることがあっても良いと反論し、最終的には厳重注意で済ませることになります。吉子と柚子はお互いに謝罪し合い、一方で静は死期が近づく五味の心に寄り添い、「病は治せなくても、人は治せる」と励まします。最終的に五味は自分の過ちを認め、看護師たちや院長に謝罪しながら旅立っていきました。
『ザ・トラベルナース』第2シーズン第5話 感想
このエピソードでは、看護師としてのプロフェッショナリズムと人間性が強く描かれており、とても感慨深かったです。特に印象的だったのは、吉子と柚子の対立と和解のシーンです。吉子が厳しい指導者でありながらも、感情的になってしまう部分には共感できました。人間として限界を感じる瞬間があり、それでもプロとして振る舞う難しさがリアルに描かれていたと思います。
また、静と五味の関係性も非常に興味深かったです。同級生である五味が末期がんであることを知りながらも、静は冷静かつ温かく彼に寄り添います。「病は治せなくても、人は治せる」という言葉には深い意味が込められており、このドラマ全体のテーマとも言える「人間としてどう向き合うべきか」が強調されていました。
一方で、柚子が成長していく姿も見逃せません。最初は未熟だった彼女が、自分の過ちを認めて成長する様子には感動しました。最後にはユーモアを交えながら患者への対応を見せるシーンもあり、彼女自身が大きく成長したことが感じられました。
全体として、第5話は人間関係や成長を中心に描かれた感動的なエピソードでした。それぞれのキャラクターが抱える葛藤や成長が丁寧に描かれており、とても満足感のある回でした。
視聴者の感想
第5話では、感情を揺さぶる展開が多くの視聴者の心に深く響きました。その中で特に話題となったのは五味さんと静さんの関係性の描写と、登場人物たちの複雑な感情のやり取りです。
柚子さんの失言に対しては、「ナースの適正がない」「これはクビになってもいいレベル」と厳しい意見が多く見られました。ある視聴者は「五味さんの発言もアウトだが、余命を勝手に言うのもアウト。」と、双方の行動に疑問を呈しています。ドラマを通して視聴者が道徳や医療倫理について考えさせられる部分が、このエピソードの魅力でもあります。
そして、「静さんと五味さんの二人芝居にすごく惹き込まれた」という感想もありました。五味さんの強がりが少しずつ崩れ、静さんが寄り添うような描写には、五味さんが幼馴染の静さんのお茶を飲み、「美味しい」と言ってから寛いだ様子を見せるシーンについては、「段田安則さんの細部の演技が素晴らしい」と賞賛する声が相次ぎました。このような細かな演技が、五味さんのキャラクターに深みを与え、物語の余韻を一層強めています。
それまで丁寧な言葉遣いだった静さんが、ついに五味さんに広島弁で語り掛ける場面には、多くの視聴者が涙を流しました。「しず坊にはナースがぴったり」というセリフに込められた五味さんの本音は、長年の友情の重みと静さんへの深い信頼を感じさせます。再会した当初は「なぜ医者にならなかった?」という問いかけをしていた五味さんでしたが、静さんがナースであることを心から肯定し、それが静にとって「最高の褒め言葉」として捉えられたようです。
「中井さんと段田さんのやり取りが素晴らしかった」との声も多く、改めて2人の演技力を実感する視聴者が続出しました。静さんが感情を表に出さずに五味さんを見守る姿や、五味さんが徐々に心を開いていく様子は、まさに名優たちの技術の結晶と言えるでしょう。