12月5日放送の「トラベルナース」シーズン2 第7話は、緊迫感と感動が交錯する見応えたっぷりのエピソードでした。この回では、主人公・那須田歩(岡田将生)が卓越した判断力と看護師としての使命感を発揮し、物語が大きく動き出します。
ドラマ「トラベルナース」シーズン2 第7話のあらすじ
物語の幕開けは、通勤中の歩が呼吸困難に陥った天才卓球少女・浅倉七叶(佐藤恋和)を発見するシーンから始まります。偶然通りかかった元看護師・八木めぐみ(若村麻由美)の助力を借り、応急処置を施すも、七叶の容体は深刻で、歩はその場で医療行為を決断します。
命を救ったものの、その行為によって彼女の肋骨に骨折が生じたことが判明。七叶は、卓球に打ち込む才能あふれる少女であり、最年少で日本代表入りがかかっている試合が間近に迫っていました。彼女の母・美里(松岡依都美)は激怒し、病院と歩を訴えると宣言します。この事態に対し、病院の評判を守るために院長・薬師丸卓(山崎育三郎)は歩に謹慎処分を下します。
七叶の生活は母・美里の厳しい指導に縛られていました。病室で友達から借りた漫画を美里に取り上げられた時、七叶の「卓球なんて嫌い!」という叫びは、視聴者に母娘間の深い溝を感じさせます。一方、彼女の本音は「卓球が好きだけど、自分がやり続けると母が嫌われるのがつらい」「助けてくれたのにお礼も言えないママは嫌」という複雑なものでした。
病室から姿を消した七叶を見つけた九鬼静(中井貴一)は、彼女の心の声に耳を傾け、優しく説得します。このシーンは九鬼の人間味あふれるキャラクターが存分に発揮され、彼の温かい言葉が七叶に少しずつ勇気を与えていく様子が描かれます。
一方那須田が少女を助けた時に手伝ってくれた元看護士の八木めぐみが再び登場し、美里に那須田の行為は正しかったと説明してくれます。
そして九鬼に連れられた七叶は、自分の命を救った歩に想いを告白します。実は助けてくれた那須田を好きになっていたのでした。年齢差を越えた感謝と憧れの入り混じった気持ちは、思春期の少女らしい純粋さに満ちています。しかし歩は、彼女の想いには答えず、その振る舞いが逆に七叶の成長を促します。
また、物語の終盤では、美里が娘を追い詰めていた自分自身と向き合い、訴えを取り下げる決断をします。母親としての葛藤と娘への愛情が垣間見えるこのシーンは、親子の絆が再び結ばれる瞬間として、視聴者の心に深い印象を残しました。
新たな伏線の登場
そして、視聴者をさらに引き込んだのは、元看護師・八木めぐみの再登場です。彼女が院長・薬師丸卓(山崎育三郎)の前に現れ、「自分は膵臓がんである」と告げるシーンは衝撃的でした。穏やかではない表情で「手術をお願いしたい」と語る八木と薬師丸の間に、一体どんな過去があるのか――この謎めいた伏線が次回以降の物語に大きな期待を持たせています。
ドラマ「トラベルナース」シーズン2 第7話 感想
今回のエピソードは、医療現場における判断の難しさを鮮明に描き出していました。命を救うための緊急処置が訴訟問題に発展するという展開は、現代の医療が抱える深刻なジレンマを浮き彫りにしています。
美里のモンスターペアレントぶりも強烈で、いつもは患者に優しい九鬼ですらも、広島弁で諭す場面がありましたが、それに対しても怯まずに言い返したところはいつものパターンとは違っており、美里のキャラクターをよく表していました。
最後に七叶が告白するところは意外であり面白かったです。さすがに小学生の想いに応えることはできないでしょうが、その振り方もデリカシーのない歩っぽいセリフでした。しかしハッキリ振ったことで七叶もキッパリと諦められるのではないでしょうか。
そして歩を助けてくれた八木めぐみが、実は院長や看護部長(寺島しのぶ)ににとってはワケありな人物として登場するのも新鮮でした。若村麻由美さんの演技と相まって、薬師丸の過去に関する謎が新たな物語の層を作り出しています1
。 なお、この回以降、第8話と第9話(最終回)は2週連続の拡大スペシャルとして放送されることが決定しており、物語は更なる盛り上がりを見せそうです
感動の余韻と次回への期待
第7話は、卓球少女の命を救うという医療ドラマらしい緊迫した展開とともに、親子の絆や人々の成長が描かれた感動的なエピソードでした。さらに、八木と薬師丸の間に浮上した謎が、物語に新たな深みを加えています。
次回、彼らがどのように向き合い、ドラマがどう展開していくのか――その行方から目が離せません。