「嘘解きレトリック」第10話 ネタバレ あらすじ 感想

嘘解きレトリック 2024秋ドラマ
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「嘘解きレトリック」第10話 ネタバレ あらすじ

12月9日放送のドラマ「嘘解きレトリック」第10話では、クリスマスをテーマにした心温まるエピソードが描かれました。九十九夜町に雪が降り積もり、本格的な冬が到来する中、主人公たちの日常にも小さな奇跡が訪れます。探偵事務所での仕事に忙しい日々を送る浦部鹿乃子(松本穂香)が、これまでにない温かい体験をする姿が印象的でした。

物語は、鹿乃子が母フミ(若村麻由美)宛てに初めて事務所の住所を書いた手紙を送る場面から始まります。彼女の中で何かが変わり始めたことを示すこのシーンは、静かでありながら感慨深いものでした。その後、倉田タロ(渋谷そらじ)に「サンタクロースに何をお願いしたの?」と尋ねられた鹿乃子は、これまでクリスマスを祝った経験がないことを明かします。この言葉を聞いたタロは、母ヨシ江(磯山さやか)と相談し、彼女のためのクリスマス会を企画します。町の人気食堂「くら田」を舞台に、父達造(大倉孝二)が腕を振るった料理や、左右馬(鈴鹿央士)や端崎馨(味方良介)たちの協力による飾り付けで、暖かなクリスマスの準備が進められていきます。

一方、探偵事務所では鹿乃子が探偵依頼のビラを貼る仕事をしていると、書店から嘉助(黒川想矢)を追って利市(橋本淳)が飛び出してくる小さな騒動に遭遇します。その様子が物語にちょっとしたスパイスを加え、クリスマスの準備ムードにリアルな日常感を添えます。

そんな中、左右馬はつくも焼き屋のじいさん(花王おさむ)の手伝いをしている最中に、一人の女性から探偵事務所への道を尋ねられます。その女性はなんと、鹿乃子の母フミでした。ついに母が九十九夜町を訪れ、娘との再会するシーンは、このエピソードの中で最も印象的な一幕でした。

今回の第10話では、鹿乃子の「嘘が見える」という特殊能力そのものよりも、周囲の人々とのつながりや心の成長に焦点が当てられていました。クリスマス会を企画する周囲の温かさや、母との再会を前にした鹿乃子の内面の変化が、物語に深い人間味を加えています。全体を通じて、クリスマスというテーマが持つ「思いやり」や「絆」というメッセージが、美しく描かれたエピソードでした。

 

ドラマ「嘘解きレトリック」第10話の感想

第10話は、これまで以上に人間味に溢れた感動的なエピソードでした。ミステリー要素は控えめで、鹿乃子の成長や母との関係を中心に描かれた「心に染みる回」だったと思います。涙を誘う場面が多く、視聴後には温かい余韻が残りました。

左右馬先生が、フミを鹿乃子に会わせるためにさりげなく言葉で誘導していく場面は、「粋」の一言。彼の言葉には無駄がなく、押しつけがましさもない。それでいて必要な事実をしっかり伝える彼の振る舞いには、思わずキュンとしてしまいました。また、彼が自分自身のことを飾らずに話す姿勢には、鹿乃子を本当に大切に思っている誠実さが感じられました。

そして特に印象に残ったのは、鹿乃子の母・フミの言葉です。「少しの嘘を恐れて、たくさんの本当を伝えられなかった」という一言には胸を打たれました。フミの言葉は、鹿乃子だけでなく、視聴者である私自身にも大切なことを気づかせてくれたように感じます。誰しもが時に「嘘」をつくものですが、それが全て悪いものではなく、誤解を恐れずに思いを伝えることの大切さを再確認しました。

クリスマス会を企画した人々の優しさは、まさにこのドラマの魅力を象徴していました。タロや「くら田」の家族たち、そして左右馬先生が協力して鹿乃子に温かなクリスマスを届けようとする姿には、見ている私も幸せな気持ちになりました。

くら田のみんなが鹿乃子にクリスマス会を開くことを隠していたため、結果的に嘘を付いてわけですが、鹿乃子が「嘘はすべて悪いもの」と思い込んできた過去を振り返り、それが周囲との摩擦を生んでいたことに気づくシーンもまた、彼女の大きな成長を示していました。これまでの彼女は特殊能力を負担として捉えていましたが、それを超えて人との関わりを大切にし始めている姿がとても感慨深かったです。

 

まとめ

今回、事件は一切描かれず、最初から最後まで「感動回」として仕上がっていました。それでも1時間があっという間で、次週が最終回という事実が信じられません。このドラマは続編があってほしい、もっとこの世界に浸っていたい、そう思わせてくれるほど魅力的な作品です。

第10話を通じて、鹿乃子の成長や人とのつながりの美しさが描かれたことで、物語が一段と深みを増したように感じました。次回、彼女がどんな選択をし、どんな未来へ向かうのか――楽しみで仕方ありません。