『全領域異常解決室』の最終回 ネタバレ あらすじ
12月18日に放送された『全領域異常解決室』の最終回では、物語の核心である謎の神・ヒルコの正体が明らかになります。
寿正(野間口徹)が開発したSNSを見続けた人々が次々と命を絶ち、東京は一夜にして大混乱に陥ります。
政府は「全領域異常解決室」(通称ゼンケツ)がヒルコと関わっていると疑い、捜査を開始します。
一方、興玉雅(藤原竜也)、芹田正彦(迫田孝也)、豊玉妃花(福本莉子)の3人は寿に捕らえられてしまいます。
寿がヒルコの登場を待っていると二宮(成海璃子)が登場。彼女がヒルコかと思われましたが、二宮もヒルコに操られた一人であり、寿は毒殺、二宮もピストルで撃たれてしまいます。
物語の中で、興玉(藤原竜也)と小夢(広瀬アリス)は、ヒルコの正体が直毘(柿澤勇人)であり、彼が修行を経て超人的な力を得た役小角(エンノオヅヌ)であることを突き止めます。
ヒルコは「選別」を行い、新たな世界を作るための集団自殺を引き起こしていました。最終的に、興玉はヒルコの正体を暴き、彼との対決が繰り広げられます。
闘いの最中、直毘は衝撃的な内容を口にします。小夢に事戸渡しをしたのは小夢本人であること。そのため、彼女はもう神に戻ることはできないこと。興玉が天石戸別神であることを知られないよう、彼を守るために出た行動でした。
最終的に事件は解決し、小夢は興玉によって事戸渡しをされ神々の記憶を消されます。そして、そして、病院にいた二宮(成海璃子)は藁で船を作り、失踪してしまいました
ラストシーンでは、興玉と小夢が街中ですれ違う場面が描かれ、彼らの絆が強調されます。小夢は鈴を取り出し、何かを思い出すような仕草を見せますが、詳細は明かされず、視聴者に余韻を残します。
『全領域異常解決室』の最終回 感想
ドラマ『全領域異常解決室』の最終回は、衝撃と感動が絶妙に融合した素晴らしい締めくくりでした。
このドラマは、超常現象を題材にしながらも、現代社会におけるテーマを織り込んでおり、最終回ではその集大成ともいえるメッセージが描かれていました。
まず、ヒルコの正体が直毘であり、さらに彼が歴史上の人物である役小角だったという展開には驚かされました。
物語の中で伏線がしっかりと張られていたため、振り返ると「そうだったのか」と納得する部分もありましたが、それでもその大胆な設定には感嘆しました。
特に、過去のエピソードで興玉(藤原竜也)と小夢(広瀬アリス)が役小角について話していたシーンが、この展開を支える伏線として見事に機能していました。
最終決戦では、直毘が神々を消し、人間を選別しようとする壮大な計画が明らかになりました。
その計画を阻止しようとする興玉たちの戦いには緊張感があり、物語の終盤を彩る白熱したシーンの連続でした。
しかし、直毘の計画が完全に終息したわけではなく、新たな謎を残す形で物語が幕を閉じたのは印象的でした。この余韻が、続編への期待を強く煽る形になっていると思います。
特に感動したのは、興玉と小夢の最後のすれ違いのシーンです。
記憶を消したはずの小夢が鈴を取り出す場面は、彼女がまだ何かを覚えている可能性を示唆しており、思わず胸が熱くなりました。
興玉が事戸渡しの際に指を浮かせていたという細かな演出も、記憶の完全な消去がなされていない可能性を感じさせるもので、視聴者の想像力を掻き立てます。二人が再び交わる未来があるのか、ぜひ知りたいと強く思いました。
一方で、二宮のの子(成海璃子)が病院から姿を消し、藁の船を残していたという描写も気になるところです。
彼女がヒルコの信者として新たな計画を担うのではないかという暗示は、続編の可能性を強く感じさせるもので、物語がまだ終わっていないことを示しています。
また、このドラマは単なるサスペンスにとどまらず、現代社会の情報過多や選別というテーマを深く掘り下げていた点が魅力的でした。
SNSの影響で集団自殺が引き起こされるという描写は、社会的なメッセージ性を帯びており、エンターテインメントの枠を超えた深みを与えていました。
最終回では、深刻なテーマが展開される一方で、東京バナナやくしゃみで変身が解けるなど、くすりと笑える要素も盛り込まれていました。この緩急のつけ方が、このドラマの大きな魅力だったと感じます。
全体を通して、『全領域異常解決室』は、オリジナル脚本の力を見せつけた秀逸なドラマでした。
綺麗に終わったようで、なお多くの余韻や謎を残し、視聴者の心に深く刻まれる物語だったと思います。
もし続編があるのなら、興玉と小夢の再会や、直毘のその後の展開をぜひ見届けたいです。最後まで期待を裏切らない素晴らしい作品でした。